- 1 : ◆AhbsYJYbSg :2020/02/10(月) 20:35:44.00 ID:ZEuYCnNT0
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魔法使い「嘘……こんなの嘘だよねぇ!」おさげ髪の魔法使いが嘆く。
震えながら立ち竦む彼女の足元には、黒髪の少年がうつ伏せに横たわっていた。
こちらとは反対側に顔を向けているので表情までは分からない。
しかし首元や頬は遠目からでも分かるほど青白く、生気がない。神官「なんでや、なんで死んでもうたん……勇者」
動かない少年の頭側で膝をついていた、白い衣の神官が呟いた。
そして少年の上半身を守るように覆いかぶさり、静かに泣き始める。
形の良い目からこぼれた雫が、勇者の衣服を濡らした。騎士「……」
甲冑に身を包んだ短髪の少女騎士が膝をつき、勇者の左手首をとった。
騎士「手首の脈が……ない」
弓兵「呼吸もしていまセン。残念デスが、勇者サンは……もう」
反対側で勇者の口に手を当てていた背の高い弓兵が、ゆっくりと首を振る。
魔法使い「嫌だ……こんなの、嫌だああああっ!」
魔法使いの少女が絶叫する。悲痛な叫びは魔王城の広間にこだましたあと、吸い込まれるように消えた。
闇を具現化したごとき玉座の前で、我……魔王は呟く。
魔王「勇者が、死んだ……?」
魔王「勇者殺人事件」
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